宇宙からの飛来説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/17 05:57 UTC 版)
「ケーララの赤い雨」の記事における「宇宙からの飛来説」の解説
2003年、マハトマ・ガンジー大学(英語版)のゴドフリー・ルイ(英語版)とサントシ・クマルは「彗星によるパンスペルミアでケーララの赤い雨の説明が付く(Cometary panspermia explains the red rain of Kerala)」と題した論文を発表した。ただしこの論文は査読なしで発表ができるプレプリントサーバ、ArXivで発表されたものである(後にこの説は専門誌にも投稿された。後述)。CESSの報告書には、直前に起こった轟音(おそらくソニックブーム)や閃光と赤い雨との関連性は見つからなかったと書かれているが、ルイらはこれを重視した。ルイらの説は粒子が生物由来のものであるという点ではCESSの報告と同じだが、その細胞が彗星と共に宇宙から来たものであるという、いわゆるパンスペルミア説に基づいた仮説を立てた。ルイらは臭化エチジウムを使ってDNAやRNAを検出しようと試みたが、発見できなかったことから、これらが地球外生物であると結論した。2ヵ月後、ルイらは同じくArXivで、「赤い雨に含まれる極限環境微生物により示された彗星からのパンスペルミアの生物学(ew biology of red rain extremophiles prove cometary panspermia)」と題する第2の論文を発表し、「ケーララの赤い雨から分離された微生物は、300℃という苛酷な環境で成長し、有機物から無機物にわたる広範囲な物質で新陳代謝することができる」と説明した。 ルイらの考えを支えるデータや論文を出した人は現在のところいない。2006年にルイらは科学論文誌「天体物理学と宇宙科学(英語版)」に、「ケーララの赤い雨の現象とそれが地球外から飛来した可能性」と題する論文を発表した。この論文では、赤い雨に含まれていた微生物が宇宙由来である旨が繰り返されているが、苛酷な環境で成長できるとした先の主張は述べられていない。この論文の結論の一つは、赤い雨に含まれる粒子が生物細胞であり、それが彗星から来たものであり、これはパンスペルミア現象の一つであるというものだった。2008年8月にも、ルイらは宇宙生物学学会でこの説に基づいた発表をした。発表要旨には、これらの細胞は300℃でも成長可能だが、これらの細胞の分子構成は明らかにされていない、と述べられている。
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