学生の大学運営への参加と学生自治会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 14:51 UTC 版)
「学生自治会」の記事における「学生の大学運営への参加と学生自治会」の解説
2000年、文部科学省の「大学における学生生活の充実に関する調査研究会」は、学生の希望・意見の反映に関して 「学生中心の大学」への転換を図るという観点から、大学教育においては、大学で教育を受ける学生の希望や意見を、適切に大学の運営に反映させることが重要である。また、学生が積極的に大学運営に関わることを通じて主体的に大学生活を送ることは、学生の社会的な成長を促すことを期待できるものである。 学生の意見や希望を反映させる具体的な方法としては、(a) 大学として学生からのアンケート調査を行ったり、学生の実態調査を行うことにより、その希望や意見を聴取する方法、(b) 学生の代表と大学の運営責任者等との懇談会等を実施し、その希望や意見を聴取する方法、(c) 学生の代表を大学の諸機関に参加させる方法などが考えられる。」 と答申を行った。このうち、(b) (c) については、学生自治会のような組織を想定しているものと思われるが、答申では、 欧米諸国においては、伝統的に、学生の代表が大学の管理運営組織の正式なメンバーとされ、広範に大学運営への学生参加が認められている。しかし、このような制度を現時点において、我が国の大学に取り入れることは、これまでの経緯や、現在の大学の意思決定システムとの整合性に配慮する必要があり、慎重に検討すべきものと考えられる。 むしろ、大学の授業内容・方法や学生生活に関する事項など、学生の希望や意見を取り入れることが適切な事項について、大学の責任者が定期的に学生と意見交換する場を設け、その結果を、できるだけ大学運営に反映させるという方法が有効であると考えられる。 と述べている。 国際的には、1998年に国際連合教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)が、「ユネスコ・21世紀高等教育に関する世界宣言:展望と行動」を採択し、この中で、国および教育機関レベルの意思決定担当者に対し、学生を主要な当事者として位置づけ、高等教育の刷新における主要な共同者および責任ある関係者と捉えることを求めている。ここには、高等段階の教育に影響を及ぼす諸問題、教育評価、教育方法及び教育課程(カリキュラム)の改善並びに現行の制度的枠組み、政策立案および教育機関の運営に学生が参加することも含まれる。さらに、学生は自ら組織化しかつ代表者を立てる権利を有しているので、これらの諸問題への学生の参加が保障されなければならないとされた。
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