学問的立場とは? わかりやすく解説

学問的立場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/04 16:33 UTC 版)

フランツ・フォン・リスト」の記事における「学問的立場」の解説

目的刑論の提唱者であり、近代学派代表的な論者である。また、刑法学刑事訴訟法学犯罪学刑事政策学等を統合した「全刑法学」を構想したことで知られるイェーリング功利主義目的思想受け継ぎまた、実証主義的立場から、刑罰自体必然性合目的性具備しなければならない主張した目的刑論)。そして、古典学派理論的前提とする自由意思論を否定し犯罪を「個人的原因遺伝的素質)」と「社会的原因社会的環境)」の産物考えた。すなわち、犯罪は、これらの原因によって引き起こされた、自由意思持たない行為者による必然的行為であるから刑罰対象は、行為者反社会性危険性)であり、「罰せられるべきは、行為ではなく行為者である」と説いた主観主義行為者主義)。ここでは、処罰要件となる犯罪行為は、行為者反社会的性格認識するための徴表にすぎない犯罪徴表説)。 また、刑罰犯罪防止(特に特別予防)を目的とするものであるから、刑罰科すにあたっては、犯罪者危険性強弱に応じて威嚇改善、排害のいずれかを採るべきとする刑罰個別化」を説いた。すなわち、偶発的犯罪者機会犯罪者に対して威嚇刑、改善可能な犯罪者に対して改善刑、改善不可能な犯罪者に対して死刑終身刑課すきとする。さらに、執行猶予制度採用短期自由刑廃止保安処分導入等を主張したこのように刑罰論において主観主義刑罰論を提唱したが、その一方で刑事政策限界としての刑法の自由保障機能重視している。犯罪においては違法責任峻別し、違法実質法益侵害求めるなど客観主義堅持していた。 リスト目的刑論提唱して以来ビンディングやビルクマイヤー(ドイツ語版)ら古典学派との間で激し理論的闘争展開されることになる。これがいわゆる学派争い」である。

※この「学問的立場」の解説は、「フランツ・フォン・リスト」の解説の一部です。
「学問的立場」を含む「フランツ・フォン・リスト」の記事については、「フランツ・フォン・リスト」の概要を参照ください。

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