奄美諸島焼酎(あまみしょとうしょうちゅう)
黒糖焼酎のこと。鹿児島県の奄美諸島で製造される焼酎はすべてサトウキビの搾汁を煮詰めて得た黒糖(粗糖)を主原料として製造した黒糖焼酎であることから、奄美諸島焼酎といえば黒糖焼酎を指す。本来、黒糖由来のアルコール含有物を蒸留した酒類は、酒税法上はスピリッツ類のラムに該当し、焼酎に比べて高率の酒税が課せられるが、昭和二八年、奄美諸島(奄美大島・嘉界島・徳之島・沖永良部島・与論島)がわが国に復帰するに際して、当地における黒糖焼酎の製造実績並びに島民の飲酒習慣を尊重して、「鹿児島県大島税務署の管轄区域内(奄美諸島)において製造する場合で、かつ米こうじを併用する場合に限り」黒糖を原料とした蒸留酒であっても「焼酎」に分類し、ラムに比べて低率の酒税負担を適用することとなった。奄美諸島にサトウキビの栽培法が伝来したのは慶長一五(1610)年とも年禄三~四(1690~91)年ともいわれ、従来はもっぱら黒砂糖として利用するだけであり、黒糖焼酎が定着したのは第二次大戦中になってからのことだといわれている。奄美諸島には、25の焼酎製造免許業者があり、各製造場ごとに製造数量の規制を受けながら、年間約5,500kl(アルコール分25%換算・昭和五八年)の黒糖焼酎を製造している。原料の黒糖は、地元奄美産のものも一部には使用するが、価格の関係で主として沖縄産が使用されている。通常、本格焼酎のアルコール度数は25度で瓶詰めされることが多いが、奄美諸島産の黒糖焼酎については30度で瓶詰めする場合が多く、中には40度で市販することもある。
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