天敵以外への相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 01:05 UTC 版)
「植食者誘導性植物揮発性物質」の記事における「天敵以外への相互作用」の解説
HIPVs は、捕食性節足動物や寄生性線虫、食虫性の鳥類といった天敵の誘引を行う植物-天敵間相互作用だけでなく、同種の近隣の植物や植物寄生性の草本植物の群集に行動上の変化を引き起こす植物-植物間相互作用、そして植物-害虫間相互作用や植物-微生物間相互作用をも媒介し、生物間相互作用ネットワークに複雑な影響を与える。例えば、植物同士では、維管束のつながりを遮断して高度に区画化された植物個体内や、少し離れた他の植物個体への全身性防御応答の情報伝達物質(シグナル)としても働く。HIPVs によるシグナルは、それを受信した植物に植食性昆虫に対する防御応答の準備を促進する。それを受信した植物は植食性昆虫に攻撃された際、より迅速で強い応答ができるようになる。また、害虫である雌の蛾の産卵の際に放出され、雌の蛾に対して忌避物質として働くものもあり、産卵・摂食を防ぐ。そうした物質では、揮発性物質にもかかわらず葉の表面にとどまり、その味のために摂食妨害物質として働く。
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