大谷工区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:45 UTC 版)
大谷工区は全長3,210メートルで、奥村組に対して発注された。大谷工区へは、全長500メートル、15パーミル下り勾配となる大谷横坑を用いて取り付いた。大谷横坑のキロ程は506K300Mである。1970年(昭和45年)10月に着工し、同年12月23日に起工式が挙行された。 大谷工区は横坑を用いて取り付いており、本トンネルとレールが直結されていて効率は良かったものの、坑口となる皿倉山の北側は市街地化が山麓まで進展していて坑外設備を設けるスペースがほとんどないという問題があった。このため、北九州道路のインターチェンジ下の貯水池を干してその中に設備を設けた。周辺の文化施設や民家への騒音防止のために、騒音を発する設備に覆いを設け、坑口にはシャッターを設置するなどの対策を行った。 大谷工区は皿倉山の深部に位置し、ほぼ堅硬な岩盤になっており、北九州トンネルでもっとも進捗が良かった。しかし1分あたり10トンにも達する多量の湧水に見舞われた。ほとんどの区間と同様、底設導坑先進上部半断面工法を用いて掘削した。 1973年(昭和48年)3月14日に上津役工区側に貫通、5月28日には鞘ケ谷工区側にも貫通した。大谷工区は1974年(昭和49年)2月8日に竣工した。大谷工区の総工費は23億5184万1000円であった。
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