大統領令第13233号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 20:37 UTC 版)
「大統領図書館」の記事における「大統領令第13233号」の解説
レーガン大統領が1989年1月18日に発令した大統領令第12667号では、次のような事項がのべられている。 アメリカ合衆国アーキビスト(NARA長官)が大統領関連資料を公開する際、現大統領と前大統領のガイドラインに照らし合わせ、公開すると大統領権限にかかわるような資料がある際には報告する義務がある。報告は大統領には大統領顧問、司法長官には司法次官補を通して行う。 退任した大統領が資料公開を宣言してから30日後にアーキビストは大統領関連資料を公開する。しかし前または現大統領から要請があったり、現大統領から公開延長を指示された場合は30日経っても公開されない。 W・ブッシュ大統領が2001年11月1日発令した大統領令第13233号は、12667号を撤回し、とくに4つの大統領特権を主張した。 軍隊・外交・国家安全に関わる資料に対する国家機密特権 大統領と顧問の間の通信記録・内容に対する大統領コミュニケーション特権 法的アドバイスと法律関連資料に対する法的産物特権 大統領とアドバイザーの審議プロセス資料に対する審議プロセス特権 退任した大統領の資料が公開される前に、前大統領と現大統領は閲覧審査する権利がある。審査中は誰にも資料を公開しない。審査後、前大統領は各資料の公開・非公開をアメリカ合衆国アーキビストに報告する。現大統領は、前大統領の決定に同意・反対の意見を表明することはできるが、非公開を要請されている資料は前大統領の許可なしに公開できない。前大統領が公開許可しても、現大統領が非公開にすべきだと判断した資料は、現大統領が直接アーキビストに非公開を要請できる。 大統領資料に対する特権の解除を希望する場合は、最低条件としてその資料がその解除希望者に特別に必要であることを実際に証明できていることが必要である。 前大統領は自分の任期中の大統領資料について、任期が終わった後も特権を行使できる。前・現大統領の同意、または上告できない最終の裁判命令が出ない限り、資料は公開しなくてよい。前大統領の死後も、代理人が特権を行使できる。 副大統領の行政記録も大統領資料と同じように扱われるが、副大統領は特権行使できない。 ブッシュ大統領は911同時多発テロを経験し、国家安全に関わる情報公開には非常に敏感になっている。13233号で国家機密につながる大統領資料を一部非公開にする決断に不思議はないが、一方で大統領特権を行使して自分に不都合な資料を非公開にしているのではないかという懸念や、国民の知る権利に反するという批判も多くある。
※この「大統領令第13233号」の解説は、「大統領図書館」の解説の一部です。
「大統領令第13233号」を含む「大統領図書館」の記事については、「大統領図書館」の概要を参照ください。
- 大統領令第13233号のページへのリンク