大手ビール会社の参入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 09:09 UTC 版)
「クラフトビール」の記事における「大手ビール会社の参入」の解説
他方では、大手ビール会社がクラフトビールに関心を寄せて、日本国内やアメリカ合衆国のクラフト・ブルワリーとの提携や買収、自社生産に乗り出す取り組みも少なからず見られる。 アサヒビールは、1994年に子会社として隅田川ブルーイングを設立してマイクロブルワリーの支援業務などに乗り出すとともに、1995年からブルーパブを墨田区吾妻橋で開業しており、これを「東京で初めて販売したクラフトビール」と称している。 麒麟麦酒(キリンビール)は、2014年7月に「クラフトビール戦略」を発表して、同年中には国内最大のクラフト・ブルワリーであるヤッホーブルーイングと資本業務提携し、2015年には傘下の子会社によってブルーパブ「スプリングバレーブルワリー」を代官山に開店させ、2016年にはアメリカ合衆国のブルックリン・ブルワリーと業務提携して、ブルワーズ・アソシエーションの定義に抵触しない範囲の24.5%の株式を取得するに至っている。 サントリーは、2015年に「クラフトビール(に)興味はあるが詳しくないユーザー向け」として缶ビールの「クラフトセレクト」ブランドを立ち上げ、2016年からペールエール、ゴールデンエール、ヴァイツェンを通年商品として供給している。 サッポロビールも、子会社であるジャパンプレミアムブリューによって、2015年からクラフトビール市場に参入しており、また上記のように、カナダのユニブルーを資本傘下に収めている。サッポログループを統括するサッポロホールディングスが2017年8月、米国のプレミアムビール会社であるアンカー・ブリューイングの買収を発表した際に、『日本経済新聞』は「サッポロ、米クラフトビール買収」と報じた。 さらに、オリオンビールも2015年から「オリオンのクラフトビール」として、季節商品「オリオンクラフトシリーズ」の供給を始めた。その第2弾「琉球ホワイト」は、原材料の関係でビールではなく発泡酒として発売された。 大手の参入が盛んになって以降は、品質重視で製造されたビールを、生産者の規模の大小を問わずクラフトビールとし、マイクロブルワリーに相当する大手以外の小規模事業者やそのビールを地ビールとする使い分けも見受けられる。
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