多目的施設としての野球場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 02:06 UTC 版)
広大さと収容能力の点で利点を持つことから、野球場は古くから野球以外のスポーツやイベントの開催地として使われてきた(阪神甲子園球場は設立当時から多目的施設としての利用も視野に入れていた)。 野球以外のスポーツで野球場を利用することが最も多い競技は、野球と同じく米国発祥の競技であり、広大なフィールドを必要とするアメリカンフットボールである。シーズン開催時期があまり重ならないことから、米国では野球場がMLBとNFLの本拠地としてよく併用され、特に1960年代からは可動スタンドを備えた円形球場(後述)が多数、新設された。近年の米国では新古典派球場ブームにより分化されていき、2020年時点でMLBとNFLの本拠地として併用されている球場は存在しない。日本では甲子園ボウル、ライスボウル(東京ドームで開催)などのように、ボウル・ゲームを野球場で行うケースが多い。 近年ではプロレス(主に新日本プロレス)・K-1などの格闘技が行われることも多い。ほかにもサッカー、競輪などが野球場で行われた例がある。また日米のプロサッカークラブの一部が野球場を本拠地としている。札幌ドームのホヴァリングサッカーステージの他に、米国ではアメフト兼用球場のアメフト用フィールドをそのままサッカー用に転用している。ただしこちらもサッカー用スタジアムがそろいつつある。詳細は各野球場の記述を参照。 イベントとして多いのはコンサートである。特にドーム球場は当初よりコンサート開催を考慮して設計されている。日本ではかつて、日本武道館で単独コンサートを行うことが一流の証と考えられてきた時代があったが、近年は収容能力をはるかにしのぐ野球場でのコンサート(主に東京ドーム)が最大のステイタスとされている。観客動員力が高いバンド・アーティストを『スタジアム級』と称することからも、それが伺える。ただし、野球場はもともと歌や演奏を聞かせるために作られた施設ではないため、音響や舞台設置の面で問題が生じるために、高い人気を得ていてもあえてスタジアムコンサートを行わないアーティストもいる。近年ではサッカースタジアムおよび陸上競技場を用いるケースが増えたため、相対的に野球場でのコンサート開催は減少している。 他にも、展覧会や大きな団体の集会でも使用される例がある。
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