多目的実験ラック (MSPR)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:28 UTC 版)
「きぼう」の記事における「多目的実験ラック (MSPR)」の解説
多目的実験ラック (Multi-purpose Small Payload Rack:MSPR)は、2011年1月にHTV2号機で運搬されて設置された。大型実験装置用のワークボリューム(WV)、小型実験装置用の小規模実験エリア(SEA)、作業台のワークベンチ(WB)からなっており、電力・通信・ガスといった各リソースを提供し、以下の実験装置を入れ替えることにより様々な実験が行える。 燃焼実験チャンバー (Chamber for Combustion Experiment:CCE)(HTV2で運搬) - 多目的実験ラックのワークボリューム内に設置されている燃焼実験を行うための装置。 水棲生物実験装置 (Aquatic Habitat:AQH)(HTV3で運搬) - モデル生物であるメダカとゼブラフィッシュを90日間かけて3世代の継代飼育を行う装置。2018年8月2日現在、運用を行っていない。 液滴群燃焼実験供試体(Group Combustion Experiment Module:GCEM)(HTV5で運搬) - 熱による自然対流が起きない微小重力下で燃料液滴群(燃料を微小粒子化したものの群体)の燃焼の仕組みを観察する装置。 沸騰・二相流体ループを用いた気液界面形成と熱伝達特性(Interfacial Behaviors and Heat Transfer Characteristics in Boiling Two-Phase Flow:TPF)(HTV6で運搬) - 無重力化で液体の熱の伝わりやすさを調べ、得られたデータを人工衛星、探査機、宇宙基地などの排熱システムの設計に応用させるためのデータベース構築を行う実験。 微粒化観察装置(Atomization Observation Equipment:AOE) - 無重力環境下で液糸が分かれていく過程をハイスピードカメラで撮る装置。この実験により明らかにされた新しい微粒化概念を噴霧燃焼シミュレーターに反映させ、新型エンジン開発に応用する。 次世代水再生実証システム(JEM Water Recovery System: JWRS)(開発中) - 現在ISSで使われている水再生システムより、小型で消費電力が少なく再生効率の高い、保守整備が容易な次世代型水再生システムを開発するにあたって、小型の実証システムを先に開発し、きぼうで実証実験を行う予定。
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