執筆の動機と「序」とは? わかりやすく解説

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執筆の動機と「序」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 07:12 UTC 版)

アイヌ神謡集」の記事における「執筆の動機と「序」」の解説

アイヌ神謡集執筆の動機は、言語学者金田一京助に、アイヌ口承文芸価値説かれ勧められたからであるが、これは外面的なことであり、知里幸恵内面的な動機は、『アイヌ神謡集』の「序」に書かれている大正11年3月1日日付をもち、 その昔この広い北海道は,私たち先祖の自由の天地ありました。 の書き出しで始まる「序」には、アイヌ制約を受けることなく活動できた北海道大地が、明治以降急速に開発され近代化したことが記される。それは「狩猟・採集生活」をしていたアイヌの人々にとっては、自然の破壊ばかりでなく、同時に生活を追われることでもあり、平和な日々をも壊すものであった。その変動によるアイヌ精神的な動揺日本社会置かれ地位をこう綴る僅かに残る私たち同族は、進みゆく世のさまにただ驚きの眼をみはるばかり。しかもその眼からは一挙一動宗教的感念に支配されていた昔の人美しい魂の輝き失われて,不安に充ち不平に燃え鈍りくらんで行手も見わかず、よその御慈悲にすがらねばならぬあさましい姿、おお亡びゆくもの……それは今の私たちの名、なんという悲しい名前を私たち持っているのでしょう幸恵激し競争場裡敗残の醜をさらしている今の私たちの中からも、いつかは二人三人でも強いものが出て来たら、進みゆく世と歩をならべる日も、やがては来ましょう。それはほんとうに私たち切なる望み、明暮祈っている事で御座います。 と記すように「アイヌ滅び行く」という立場同調しないながらも、「起伏日頃互いに意を通ず為に用いた多く言語言い古し残し伝えた多く美し言葉」がなくなってしまうことを「あまりにいたましい名残惜しい事」として、本書執筆した述べる。 時代下って2008年6月7日には、前日国会におけるアイヌ先住民決議採択受けた朝日新聞の「天声人語」において、知里幸恵・『アイヌ神謡集とともにこの「序」の一部紹介された。

※この「執筆の動機と「序」」の解説は、「アイヌ神謡集」の解説の一部です。
「執筆の動機と「序」」を含む「アイヌ神謡集」の記事については、「アイヌ神謡集」の概要を参照ください。

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