国際統計と暗数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:18 UTC 版)
「スウェーデン漫画判決」の記事における「国際統計と暗数」の解説
「強姦やその他の性的暴行に関する国際統計(Rape statistics)」では、10万人あたり何人レイプされているかの指標ランキングが公開されている。2010年では、スウェーデンが3位、アメリカが11位、韓国が20位、日本が57位である。 一方で、国連麻薬犯罪局(UNODC)のデータ開発および普及の責任者であるエンリコ・ビソニョ(Enrico Bisogno)は、比較国際統計の報告数を単純に比較することは不正確だと指摘した。ストックホルム大学犯罪学教授のフェリペ・エストラダ(Felipe Estrada)は、「犯罪の数え方は国によって異なる」「性犯罪には暗数があり、報告された事件をもとに本当のレベルについて何かを言うのは非常に困難だ」としている。 性犯罪実態を調べるためには、報告された犯罪の数より、犯罪被害者の調査に注目することが必要とされる。EUにおける女性に対する暴力を調査するそのような研究の1つが、2014年にEUの基本的権利のための機関(FRA)によって公表されており、それによると、スウェーデンの女性の18%が性的暴力の被害者であると答え、オランダと同じ割合であり、デンマークの19%をわずかに下回っている。 なお、「性犯罪は報告された犯罪の数字は実際の犯罪のごく一部であると知った上で見る必要がある」という見解は日本でも共有されており、琉球大学大学院法務研究科教授の矢野恵美は、内閣府男女共同参画局が定期的に行う「男女間の暴力に関する調査」や、「犯罪被害実態(暗数)調査(原題:International Crime Victims Survey/ICVS/国際犯罪被害者調査)」における「性的な被害」等、警察に届けたかに関わらず、被害者に状況を聞くタイプの調査の結果にも目配りする必要があるとしている。これらの調査では、2012年の場合、被害を届け出る女性は18.5%であり、「日本の暗数が海外に比べてことさら高い」とはいえず、同程度であるとされている。
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