国際ブドウ・ワイン機構の品種登録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 03:18 UTC 版)
「マスカット・ベーリーA」の記事における「国際ブドウ・ワイン機構の品種登録」の解説
マスカット・ベーリーAには様々な難点があったため、1969年には山梨県果樹試験場がマスカット・ベーリーAに代わる品種として、ブラック・クイーン種とカベルネ・ソーヴィニヨン種を掛け合わせて甲斐ノワール種を生み出している。2008年には山梨県がマスカット・ベーリーAと甲州種で生産される新酒ワインを「山梨ヌーボー」と命名し、毎年の解禁日を11月3日に設定した。 2010年に日本のブドウ品種として初めて甲州種が国際ブドウ・ワイン機構(英語版)(OIV)に登録されると、登美の丘ワイナリーが実務を担当してマスカット・ベーリーAの登録を主導した。山梨県ワイン酒造組合や山梨県果樹試験所が栽培ブドウの特性分析やDNA遺伝子解析結果などをまとめ、独立行政法人酒類総合研究所を通じて2013年2月にOIVに対してワイン用ブドウ品種の登録申請を行った。この際に岩の原葡萄園は母樹のサンプル提供や系統樹の情報などを提供している。同年6月にはOIV総会でマスカット・ベーリーAの品種登録が承認され、7月にワイン用ブドウ品種に認定された。OIVに認定された日本固有の醸造用ブドウ品種は、2010年に認定されていた甲州種(白)に次いで2例目であり、黒ブドウ品種としては初である。この品種登録によって、日本から欧州連合(EU)諸国などに輸出する際に、ワインラベルに品種名を表示することが可能となった。 2015年、メルシャンはマスカット・ベーリーAの芳香のメカニズムを解明したと発表した。メルシャンの研究によるとマスカット・ベーリーAにはイチゴ・パイナップル・トマトなどに含まれるフラネオールが豊富に含まれており、成熟まで10週前後(早熟の状態)でフラネオールが大きく増加するという。メルシャンは香りが発生する条件や成熟期間に応じた成分量の推移などを分析し、今後の商品開発や改良に活かすとしている。
※この「国際ブドウ・ワイン機構の品種登録」の解説は、「マスカット・ベーリーA」の解説の一部です。
「国際ブドウ・ワイン機構の品種登録」を含む「マスカット・ベーリーA」の記事については、「マスカット・ベーリーA」の概要を参照ください。
- 国際ブドウ・ワイン機構の品種登録のページへのリンク