国文研本古系図
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「鶴見大学本源氏物語系図」の記事における「国文研本古系図」の解説
2007年(平成19年)に国文学研究資料館の新収資料となった『光源氏系図』と題された鎌倉時代から南北朝時代にかけて書写されたと見られる源氏物語古系図である。巣守関係の記述を持つ古系図は現在およそ10本程度発見されているものの、多くは巣守姉妹についての記述を持つのみであって、 源三位の最初の妻であり巣守姉妹の母とその死後に源三位の後妻となった姉妹らの系譜 源三位の後妻の元の夫らの系譜 巣守三位の乳母とその兄弟姉妹らの系譜 という3つの系譜の記述を持つ古系図は本「鶴見大学本古系図」以外ではこの『国文研本古系図』のみである。ただし巣守三位らの父である源三位と梅枝巻において蛍兵部卿宮の息子として登場する侍従については巣守関係の記述を持つ源氏物語古系図諸本の間でも一人の人物とする伝清水谷実秋筆本古系図、源氏物語巨細(天理図書館蔵本)、源氏系図小鏡(稲賀敬二旧蔵本)などと、兄弟の関係にある別々の人物としている正嘉本古系図、専修大学本古系図(伝藤原家隆筆本)などとが存在するが、本「鶴見大学本古系図」では兄弟の関係にある別々の人物としているのに対して国文研本では一人の人物としているといった違いが存在する。 巣守関係以外の記述について見ると、鶴見大学本古系図の特徴である太上天皇と先帝を兄弟として扱っていることや現在「右大臣」と呼ばれている人物を「あし大臣」と呼んでいることなども共通している一方で、系譜部分に収録された人数が鶴見大学本は189人であるのに対してこの国文研本では163人にとどまっているなど、大きく異なっている点も多い。
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