唯名論とメレオロジー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 21:42 UTC 版)
「ネルソン・グッドマン」の記事における「唯名論とメレオロジー」の解説
グッドマンの哲学を通底するのは唯名論の考え方である。非実在論(en:Irrealism)ともいわれる。 アルフレト・タルスキの師であったポーランドの論理学者スタニスワフ・レシニェフスキが提唱したメレオロジーの分野でも業績を残す。 グッドマンはスタニスワフ・レシニェフスキとともに、哲学、論理学、数学は集合論なしですますべきだと主張する。グッドマンの唯名論は、主に存在論的な考察から導かれた。クワインとともに書いた1947年の長大で難解な論文の後、グッドマンは集合論なしで数学を再構成することが難しいことに思い至る。1913年にラッセルとホワイトヘッドの「プリンキピア・マテマティカ」が出版された時点では、集合論が数学の唯一の基礎だとは信じていなかったにもかかわらず、である。 数学を論理公理から再構成するダフィット・ヒルベルトのプログラムは役に立たないことが1936年にゲーデルによって証明された。このことや他の一見すると実りあるように思われた他の研究の流れの失敗を受けて、クワインは間もなくそうした再構成は不可能であると信じるに至ったが、グッドマンの同僚リチャード・ミルトン・マーティン(英語版)はそれに反対し、今後の方向性を示唆する多くの論文を書いた。クワインは数学を科学と区別するアドホックな仕掛けなどは捨て去ったのであり、結果である同化をただ受け入れたにすぎないと力説しながら、理論(科学の体系)への負荷を、その意味を理論的文脈に応じて劇的に変化させるような個別の文にはかけようとはしなかったという。このようにして、数学の哲学、科学哲学は疑似経験論としてみなされるようになる。
※この「唯名論とメレオロジー」の解説は、「ネルソン・グッドマン」の解説の一部です。
「唯名論とメレオロジー」を含む「ネルソン・グッドマン」の記事については、「ネルソン・グッドマン」の概要を参照ください。
- 唯名論とメレオロジーのページへのリンク