品種改良に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/24 06:19 UTC 版)
「ピース (バラ)」の記事における「品種改良に関して」の解説
上田・河合(2014)はこの品種の作出が『バラの改良の歴史上、極めて重要な転機』になったと記している。この品種は交配親としても重視され、多くの優良品種を生み出した。それらは総じて『ピース・ファミリー』と呼ばれる。例えば初の朱色系大輪花であったスーパー・スターは日本でも大変人気があり、切り花としてよく栽培された。朱赤色の大輪花であるドゥフトボルケはやはり『バラの栄誉の殿堂』入りを果たしており、この品種の子孫だけでも400種以上ある。ピースの子孫で殿堂入りしたものには、もう一つ黄色に赤の覆輪を持つダブル・デライトがある。ピースは多くの品種を生み出した「ビッグ・マザー」とされるが、現実にはこの品種は結実性がよくなく、それに果実が落ちやすかった。そのため、実際にはマザーではなく、花粉親として大いに活用された。その子孫には覆輪や複色の複雑な色合いのものが多く出た。白地にローズレッドの覆輪を持つ聖火という品種は上記の鈴木省三が作出したもので、1972年にニュージーランドで開催された世界バラ会連合で特別金賞「南太平洋金賞」を獲得、これをきっかけに多くの外国人が彼の元へ来るようになった。上田・河合(2014)では交配親として『これほど影響力のあった品種は他に例がありません』と記している。 交配による品種改良でなく、枝変わりによる変異から選び出されたものに、クローネンブルクがある。これは花形等はピースのままで、花弁の表が赤、裏が黄色の花をつける。また蔓性に変化したものに、つるピースがある。茎が太いので、蔓バラでよく見られる枝を誘導して様々な形にするような用途には向かないが、花がピースそのままなので、満開の時の見応えは圧巻とのこと。またクローネンブルグにも蔓に変化したつるクローネンブルグがある。
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