品種の創出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/21 22:54 UTC 版)
1852年にヨーク地方のキースリー(Keighley)という町で開かれたロイヤルショー(農業品評会)で、地元の織物職人だったジョセフ・タリー(Joseph Tuley)という人物が、自家生産の大ヨークシャー種のブタを出陳しようとしたところ、大ヨークシャー種にしては小さすぎるという理由で審査委員に展示を断られてしまった。 評議委員会が招集されてこのブタについての審議を行い、大ヨークシャー種にしては小さすぎるし、小ヨークシャー種にしては大きすぎるということで、どちらの品種にしても不適格だという結論になった。しかし優れたブタであることは確かであり、新たに中型種(Middle Breed)を創設することになった。 タリーのブタは、大ヨークシャー種のメスのうち最良のものに、小ヨークシャー種や小型のイノシシを数代に渡って交配して生産されたものだった。こうして生産されたタリーのブタは、小ヨークシャー種のように頭部が小さく、内臓も小さいが、体格は大ヨークシャー種なみに大きかった。 この新種のブタは早熟で、扱いやすく、小規模経営に向く。そのうえ肉の味も良いため、イギリス国内でどんどん広がっていった。1884年に英国豚生産者協会(National Pig Breeders Association、NPBA)が設立されると、ヨークシャー種、大ヨークシャー種、タムワース種(Tamworth)の3品種がイギリスの基礎品種に決まり、同年から血統書が作られるようになった。
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