大ヨークシャー種とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 大ヨークシャー種の意味・解説 

大ヨークシャー種

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 07:27 UTC 版)

大ヨークシャー種ブタの品種のひとつである。原産地はイングランド北部のヨークシャー。原産国イギリスでは「ラージ・ホワイト(Large White)」種と呼ばれ[1]、日本では「大ヨークシャー」種の名称で品種登録されている[1]。その他の諸国ではふつう「ヨークシャー」種と呼ばれている[1]


注釈

  1. ^ 近年は、原産地イギリスでの表記にならい、ヨークシャー種(ミドル・ホワイト)を「中ヨークシャー」と呼んだり、大ヨークシャー種(ラージ・ホワイト)を「ラージ・ヨークシャー」などと通称することもある[要出典]
  2. ^ 顔がしゃくれるのは、中国産のブタの特徴である[13]
  3. ^ ここで言う飼料効率とは、与えた飼料の量に対して、どれだけブタの体重が増加したかを意味する指標である。
  4. ^ 少し遅れて、これに「Middle White」(ミドルホワイト種、日本では「ヨークシャー種」)が加わった。1884年の血統登録開始時点では、スモール、ミドル、ラージの3種が独立種として品種登録された[13]
  5. ^ イギリスでは、もともとブタは農家や中流以下の家庭で1頭飼いをするのが一般的だった。農家は近隣の森にブタを放って自力でエサを探させ、家庭では生ゴミをエサにしていた。いずれにしても飼育には費用がかからなかった。夏に仔豚を買い、年末まで残飯を与えて育て肉にすると、高価な部分を売るとブタの購入代金を差し引いても利益が得られ、残った部分は一軒の家庭が冬の間ブタ肉を食べるのに充分な量が得られた。そして中流以下の階層にとってブタのラードは重要な栄養源だった[16][17]。これに比べると、大地主である貴族階級は、使役用や牛乳目当てにウシを飼養し、使い物にならなくなったウシを屠殺して肉にしていた[18]
  6. ^ 昭和20年代には、日本国内で登録される種ブタの頭数は年間1万頭を下回っていて、そのうち9割以上はヨークシャー種、残りがバークシャー種だった。昭和30年代になると、毎年の種ブタの新規登録総数は数万頭に増え、昭和36年(1961年)にランドレース種が導入されるとすぐにシェアを伸ばし、昭和46年(1971年)には国内の新規登録種ブタの77パーセントがランドレース種となった。これに比べると、同時期のヨークシャー種の種ブタ新規登録数は1.7%にまで減っている。ランドレース種より5年遅れて導入された大ヨークシャー種は、昭和53年(1978年)には種ブタの年間新規登録6148頭とピークを迎えた。これは同年の総新規登録数の約13パーセントにあたる(同年のヨークシャー種は0.02パーセント。)[2]。新規登録の総頭数は昭和30年代をピークに減少傾向にあるが、これは交雑種が普及したことによるとみられる[2]
  7. ^ 母ブタが、ランドレース種(L)の雌と大ヨークシャー種(W)の雄の交雑によって生まれた場合には「LW」といい、大ヨークシャー種(W)の雌とランドレース種(L)の雄の交雑によって生まれた場合には「WL」という。これにデュロック種の雄を交配して誕生したものを「WL・D」または「LW・D」と表記する[2]。日本で食肉として最も普及しているのがLWD型の三元豚である[23]
  8. ^ 一般に「ランドレース」という語は、原義は「在来種」という意味である。ただしブタ品種の分野では、単に「ランドレース」というと純粋種のデンマーク・ランドレース種のことを指す。これは、デンマークで大ヨークシャー種から創出された新品種を「デンマーク・ランドレース」という品種名で登録したことによる[20]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 『品種改良の世界史 家畜編』p341
  2. ^ a b c d e f g h i わが国の種豚登録事業” (PDF). 日本種豚登録協会. 2016年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月28日閲覧。
  3. ^ 一般社団法人 日本養豚協会 養豚の基礎知識 2019年2月7日閲覧。
  4. ^ 農林水産省 平成22年7月27日22生畜第770号 生産局長通知 牛及び豚のうち純粋種の繁殖用のもの並びに無税を適用する馬の証明書の発給等に関する事務取扱要領 2019年2月7日閲覧。
  5. ^ 一般社団法人日本養豚協会 種豚登録規程 (PDF) 2019年2月7日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h 一般社団法人 日本養豚協会 大ヨークシャー 2019年2月7日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i 株式会社サイボク、埼玉種畜牧場、サイボクぶた博物館、豚の品種 大ヨークシャー 2019年2月7日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k 全国食肉事業協同組合連合会 豚の主な品種 (PDF) 2019年2月7日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j k 『日本の家畜・家禽』p99「大ヨークシャー」
  10. ^ a b c d e f g h i 一般社団法人 日本養豚協会 豚に関する豆知識 大ヨークシャー種 2019年2月7日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j 英国豚生産者協会(The British Pig Association) The Large White 2019年2月7日閲覧。
  12. ^ a b c d e 『豚肉の歴史』p138-139
  13. ^ a b c d e f g h i 『品種改良の世界史 家畜編』p340
  14. ^ a b c d 公益社団法人 中央畜産会(JLIA) 畜産ZOO鑑 さまざまな品種 2019年2月7日閲覧。
  15. ^ 『豚肉の歴史』p11-13
  16. ^ 『豚肉の歴史』p48-51「簡単に飼える豚」
  17. ^ 『豚肉の歴史』p52-60「貧者の味方」
  18. ^ 『豚肉の歴史』p60-63「中流階級のディナー」
  19. ^ 『品種改良の世界史 家畜編』p319
  20. ^ a b c d e 『品種改良の世界史 家畜編』p343-344
  21. ^ a b c d 一般社団法人 日本養豚協会 日本の養豚の歴史2 2019年2月7日閲覧。
  22. ^ a b 『品種改良の世界史 家畜編』p355-358
  23. ^ a b 『日本の家畜・家禽』p98「交雑豚」
  24. ^ a b 『品種改良の世界史 家畜編』p354-355


「大ヨークシャー種」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「大ヨークシャー種」の関連用語

大ヨークシャー種のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



大ヨークシャー種のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの大ヨークシャー種 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS