周波数と調和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 20:33 UTC 版)
音階は音楽を作成、記述する際に用いられる音高の離散集合である。西洋伝統音楽において最も重要な音階は全音階であるが、歴史上の様々な時代や地域で異なる音階が使用、提案されてきた。各々の音高は特定周波数に対応している。特定周波数は一般にヘルツ (Hz)で表現するが、時にcycles per second (c.p.s.)を用いることもある。音階は反復の音程、通常はオクターヴを有する。あらゆる音高のオクターヴは元の音高が持つ周波数のちょうど二倍に相当する。これを繰り返すことにより、2、3、4オクターヴ上げた音高の周波数はそれぞれ元の音高の4、8、16倍となっている。同様に、1、2、3オクターヴ下げた場合の音高の周波数は元の音高の周波数の1/2、1/4、1/8倍となっておりサブオクターヴと呼ばれる。音楽のハーモニーにおいて特定の音高が調和していると考えられる場合、その1オクターヴ上の音高が調和していない場合は存在しない。従って、あらゆる音符とそのオクターヴは一般に音楽体系で名付けられていることを見いだせる(例として、ド、A、Saといった単語で呼ばれる音がある)。最初のオクターヴがA2とA3、つまり110Hzから220Hzまでの間隔 (間隔=110Hz)の間の周波数として表現されるとき、次のオクターヴは220Hzから440Hz (間隔=220Hz)の間の周波数で、3番目のオクターヴは440Hzから880Hz (間隔=440Hz)の間の周波数で表現される。各々、次のオクターヴの周波数の間隔は前の周波数の間隔の二倍となっている。 人間は音階を記述する際、音高それ自身の正確性よりも各音高間の関係もしくは比率(音程として知られる)に興味を持つことが多いため、特定の音高から見た比率を考察してすべての音階、音高を把握することが多い。この特定の音高は値1 (1/1で記述されることが多い)で記述することが多く、一般に音階の主音として機能する音符である。また、音程比較にはセントを用いることが多い。 通称名称 Hz 一度との比オクターヴ内の比率オクターヴ内のセント値一度 A2 110 1x 1/1 = 1x 0 オクターヴ A3 220 2x 2/1 = 2x 1200 2/2 = 1x 0 完全五度 E4 330 3x 3/2 = 1.5x 702 オクターヴ A4 440 4x 4/2 = 2x 1200 4/4 = 1x 0 長三度 C♯5 550 5x 5/4 = 1.25x 386 完全五度 E5 660 6x 6/4 = 1.5x 702 自然七度 G5 770 7x 7/4 = 1.75x 969 オクターヴ A5 880 8x 8/4 = 2x 1200 8/8 = 1x 0
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