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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 02:14 UTC 版)
アラビアやヨーロッパでは、伝統的に精油が医療に用いられていた。1930年頃にフランスの調香師・香料研究者ルネ=モーリス・ガットフォセが、精油を使った療法を「アロマテラピー」と名付け、1937年に精油の医療面での利用に関する本Aromathérapie – les huiles essentielles hormones végétales を刊行した。「アロマ」は「芳香」(ギリシャ語:ἄρωμα, ラテン語:arôma)、「テラピー」は「療法」(ギリシャ語:θεραπεία, ラテン語:therapeia)で、「アロマテラピー」はこのふたつを組み合わせた造語である。英語では「アロマセラピー」(英: aromatherapy)となる。医学博士の鳥居鎮夫は、「精油という芳香物質を使った療法」を、「香りを嗅ぐことによって病気を治す療法」を意味するアロマテラピー(芳香療法)と呼ぶのはおかしいが、おそらく香料の専門家であったガットフォセは、薬用植物の中で特に芳香性植物から抽出した精油の効能を取り扱うことを強調したのであろう、と述べている。「アロマ」は感覚をあらわすと同時に、実体ある芳香物質(芳香化合物)を意味している。「アロマテラピー」は感覚療法であると同時に植物療法(薬物療法)でもあり、非常にあいまいな用語である。そのため香りの心理効果や芳香物質の薬理効果の研究の際に、アロマテラピーという用語を避け、アロマコロジー(芳香心理学)、アロマトロジー(芳香物質学)という言葉が使われることもある。フランスのアロマテラピーでは、精油の薬理効果に重きを置き、香りは注目されない。精油の香りによる療法は、フランスではアロマテラピーと区別され、オルファクトテラピー(嗅覚療法)と呼ばれ、精神疾患や神経系疾患を治療するために利用される。
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