名分を正すとは? わかりやすく解説

名分を正す

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:52 UTC 版)

正名 (思想)」の記事における「名分を正す」の解説

「名分を正す」とはどのような行為かは、以下の『論語顔淵篇の孔子の教え集約される。 斉の景公孔子に「政治とは何か」を尋ねたところ、孔子次のように答えた。「君主君主であり、臣下臣下であり、父が父であり、子が子である」ことである、と。 齊景公問「政」於孔子孔子對曰:「君君,臣臣,父父,子子。」公曰:「善哉!信如君不君,臣不臣,父不父,子不子,雖有粟,吾得而食諸?」齊の景公政を孔子に問ふ。孔子對へて曰く、君は君たり、臣は臣たり、父は父たり、子は子たり。公曰く善きかな、信に如し君君たらず、臣臣たらず、父父たらず、子子たらずんば、粟有りと雖も、吾得て諸を食はんや。 「名分を正す」という行為は、基本的にここでいう君主君主であり……子が子である」ようにする行為をいう。朱熹の『論語集注』では、孔子の「正名」はそのような「名分を正す」を意味するのだと解釈される。 「名分正しい」という状態、すなわち「君主君主であり……子が子である」状態とは、言い換えれば共同体内の上下関係・役割関係が明確化されている状態であり、身分応じた規範意識責任意識保たれている状態であり、職分職掌職務分業遵守されている状態である。その反対に、「名分正しくない」状態、すなわち「君主君主ではなく……子が子ではない」状態とは、言い換えれば臣下による君主傀儡化、僭称弑逆下剋上職分侵犯職務怠慢責任放棄尊属殺御家騒動などが起きている状態である。そしてまさに、子路篇で言及されている当時衛国は、御家騒動只中にあった。 「名分正しい/正しくない」という状態は、「名と実が合致一致)している/乖離している」状態と言い換えられる。ここでいう「名」と「実」は、「君・臣父・子などの称号」と「実際振る舞いのような意味をもつ(定訳は無い)。つまり、各人自分称号見合った振る舞いをしている/していない状態をさす。 「名分を正す」という行為は、儒教主要なトピックである「礼」「称謂」「春秋」「正統論」と深く関わる。それらのトピック踏まえて江戸時代中後期には藤田幽谷正名論』などの正名論流行した

※この「名分を正す」の解説は、「正名 (思想)」の解説の一部です。
「名分を正す」を含む「正名 (思想)」の記事については、「正名 (思想)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「名分を正す」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「名分を正す」の関連用語

名分を正すのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



名分を正すのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの正名 (思想) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS