同性愛をめぐる対立と保守派レンツィンクの州教会監督選出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 08:43 UTC 版)
「ザクセン福音ルター派州教会」の記事における「同性愛をめぐる対立と保守派レンツィンクの州教会監督選出」の解説
このルター派州教会では神学的保守派や敬虔主義者グループが強く、最近では教会総会代議員の過半数を保守派が押さえている。2001年に同性愛者牧師を牧師館に入居させず、宣教活動の中心にもしないという総会決議を採択している。2012年、ザクセン州教会は同性愛牧師を許容しているドイツ福音主義教会加盟の多くの州教会とは異なり、同性愛者牧師による宣教活動(牧師館居住)を原則的に否定した2001年州教会総会決議の継続を決定した。この決定によってザクセン福音ルター派州教会において、同性愛者パートナーの牧師館入居は原則的に許可されず、地域の教会共同体による特別許可が出た場合のみ許されることになった 。そのため、同性愛夫婦の牧師家庭は生活上の制約を受けることになった。ザクセン福音ルター派州教会監督ヨッヘン・ボールが2015年8月末日で定年退職するため、後任の州教会監督を選出する特別総会が2015年5月31日に開催された。4人の州教会監督候補者の一人としてカルステン・レンツィングが立候補し、その第6投票において、ザクセン州教会青年担当牧師トビアス・ブリッツと決選投票になったが、僅差でレンツィングが選ばれた。 2015年8月29日、レンツィングはドイツ合同福音ルター派教会主席監督ゲルハルト・ウルリヒによって監督職に任職された。ザクセン州教会監督の任期は2007年における監督任期に関する教会規則改定後、12年間と定められている。 神学的保守派に支持されたレンツィングは監督就任前に同性愛という生活様式は神の意志に合致していないと言明し、同性愛者パートナーの牧師館入居を原則的には許可しない(地域の教会共同体の特別許可がある場合のみ特例として許容)ザクセン州教会の方針を継続することを明らかにした。2015年8月29日のレンツィングのザクセン州教会監督就任式後、ホモフォビアに対する抗議デモや集会がドレスデン聖十字架教会前でおこなわれた。州教会監督就任礼拝においてザクセン州首相スタニスラフ・ティリッヒや他の政治家たち、並びにドイツ全土の州教会監督たち、ローマ・カトリック教会ドレスデン=マイセン教区司教ハイナー・コッホ(現在はベルリン大司教)らが監督就任礼拝に出席した。しかしながら、ドイツ社会民主党 (SPD)に属する政治家たちは州教会監督就任式に欠席した。その欠席者の中にはザクセン州政府のエバ=マリア・シュタンゲ科学芸術相も含まれていた。 2014年夏に同性結婚したザクセン出身のシュテファン・ロスト牧師とチプリアン・マテフィー牧師がいたが、ザクセン福音ルター派州教会における同性婚牧師家庭への強い制約に直面し、宣教活動の継続を断念した。そのため、同性婚夫婦であっても異性婚夫婦とまったく同じ待遇を牧師館で受けられるリベラルな北ドイツ福音ルター派教会に転籍し、2016年春から牧師職を継続することになった。
※この「同性愛をめぐる対立と保守派レンツィンクの州教会監督選出」の解説は、「ザクセン福音ルター派州教会」の解説の一部です。
「同性愛をめぐる対立と保守派レンツィンクの州教会監督選出」を含む「ザクセン福音ルター派州教会」の記事については、「ザクセン福音ルター派州教会」の概要を参照ください。
- 同性愛をめぐる対立と保守派レンツィンクの州教会監督選出のページへのリンク