台風の構造とは? わかりやすく解説

台風の構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:21 UTC 版)

台風」の記事における「台風の構造」の解説

亜熱帯熱帯で海から供給される大量水蒸気上昇して空気が渦を巻きできるのが熱帯低気圧で、これが最大風速17.2m/sを超える台風となる。この点で冷たい空気暖かい空気混ざりおうとして空気が渦を巻きできる温帯低気圧とは構造異なる。温帯低気圧では冷たい空気暖かい空気ぶつかりあっており前線を伴うことがあるが、台風本体暖かい空気のみでできているため前線を伴うことがない台風北上によって冷たい空気流入したときには温帯低気圧変化する(「#台風の発生から消滅参照)。 台風中心付近は、風向き乱れているために暴風互いに打ち消し合う。台風中心付近下降気流となっている風やほとんどない区域台風の目呼び勢力大き台風ほど明瞭に表れるが、勢力衰えると判然としなくなことがある発達した台風では背の高い積乱雲中心部取り巻いておりアイウォール呼ばれている。構造としては、台風の目周囲付近中心に向かって周囲から吹き込んだ風が強い上昇気流つくっており積乱雲が壁のように取り囲んでいる(内側降雨帯)。壁の高さは地上1000mから上空1万mに達する。そして、その外周には外側降雨帯取り囲んでいる。また、台風本体から数百キロ程離れた場所に先駆降雨帯形成されることがあり、さらに、この位置に前線停滞していると前線活動活発になり大雨となる。 なお、台風一般的にその中心よりも進行方向に対して右側南東側)のほうが風雨強くなる。これは、台風めがけて吹き込む風と台風本体押し流す気流向きが同じであるために、より強く風が吹き荒れるためである。気象学上ではこの台風進行方向右側半分危険半円と呼ぶ。また、台風左側半分吹き込む風と気流向き逆になるために相対的に風は弱く可航半円と呼ぶ。しかし、可航半円という概念はかつて帆船台風中心から遠ざかる針路をとるとき台風進行方向左側入っていれば右舷船尾追い風を受けながら避航できたこと(逆に帆船台風進行方向右側入っていると右舷前側向かい風を受けながら中心に引き込まれないよう保針しなければならなくなる)の名残であり、あくまでも右側半分比較して風雨が弱いだけであり、可航半円範囲といえども風雨強いた警戒要する

※この「台風の構造」の解説は、「台風」の解説の一部です。
「台風の構造」を含む「台風」の記事については、「台風」の概要を参照ください。

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