古文書の形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 22:51 UTC 版)
古文書は主に白紙または灰色の宿紙(薄墨紙)を料紙として作成され、廃棄文書の反故紙が転用されることもある。 料紙は一枚が縦30センチメートル、横40~50センチメートル程度の寸法が一般的で、折り目をつけずにそのまま用いる竪紙のほか、料紙を中心でふたつ折りにした折紙、一枚の料紙を細断した切紙、複数の料紙を張り付いだ継紙などの形式がある。 料紙の各部は本文の記された側が「表」、表の反対側を「裏」または「紙背」と呼び、料紙の上部を「上」または「天」、下部を「下」または「地」、右端を「端」、左端を「奥」と呼ぶ。 端から本文の記されるまでの余白を「袖」と呼び、外題や「袖書」と呼ばれる文章、袖判などが据えられる。また、料紙表の端部分に記されたメモ書きは「端書」、裏に記されたものは「端裏書(銘)」と呼ばれる。また、メモ書きは料紙とは別の紙片に記され貼りつけられている場合があり、これは付箋と呼ばれ、付箋全体が料紙に貼りつけられているものは押紙と呼ばれる。 文書は法的な効力を有する正文のほか、草案として作成された「土台」「草」がある。また、重要文書の控や訴訟などに際した証拠文書として作成された正文の複製は案文(案)と呼ばれ、案文は正文に花押が存在することを示す「在判」と記されることで模造であることが示されるが正文と同様の法的効力をもち、対して文書の保存などを目的に作成された法的効力を有さない正文の複製は写と呼ばれる。
※この「古文書の形態」の解説は、「古文書」の解説の一部です。
「古文書の形態」を含む「古文書」の記事については、「古文書」の概要を参照ください。
- 古文書の形態のページへのリンク