収集行動とコレクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 07:48 UTC 版)
「コレクション」の記事における「収集行動とコレクション」の解説
収集は人間の生活において広い範囲にわたって見られる行動であり、美術館や図書館、博物館などに代表されるように、文化財の収集、蓄積は文化の発展に大きく寄与してきた。またそのように集められるものは有形のものに限らず、無形の知識や言い伝えなどもしばしば収集の対象となる。現代では個人の趣味として物を集める人も多く、そのような趣味としてのコレクションでは、芸術品などの高価なものから集めている本人以外は見向きもしないようながらくたまでありとあらゆるものが収集の対象となっている。 「集められたもの」すべてが必ずしも「コレクション」となるわけではない。例えば商業活動を通じて金銭を集め、財産を増やしていく行為は「コレクション」とは呼ばれないし、医師が自分の診療所にいくら多くの患者のカルテを持っていたとしてもそれは「コレクション」ではない。これに関しヴァルター・ベンヤミンやジャン・ボードリヤールのような哲学者は、事物が本来の実用的な機能から切り離されて日常とは別の体系に組み込まれることを(特に趣味としての)コレクションの性質だとしている。また歴史家のクシシトフ・ポミアンは、「歴史家の実践において」コレクションは単なる物の堆積とは以下の3つの点で区別されるとしている。 コレクションを構成する品物が一時的あるいは永久に、営利活動の流通回路の外に保たれていること(「たとえば、売るために店に集められた品物の集合はコレクションではない」)。 コレクションを構成する品物の集合が特別な庇護のもとに置かれていること(「コレクションであるためには、保存の問題と、また場合によってはそれを構成する品物の修復の問題を解決する必要がある」)。 コレクションがそのために閉じられた場所の中で、視線にさらされているということ(「陶器の中に入れて地中に埋められた財宝」や「銀行の金庫室に保存された絵画の集合」などはコレクションではない)。
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