原料と作り方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 16:22 UTC 版)
以下のように専門的な職人の手により、大きくは10、細かく見れば100もの分業によって生産されてきた。 骨は、真竹を非常に細く割り裂いて作られる。竹には斜めに印をつけて順番が分かるようにしておき、仕上がったときにもう一度、傘全体が元の竹のように細身にきれいにそろうようにする。開いて上に紙を晴る親骨と、柄と親骨を支える小骨(しょうほね)がある。親骨の中節のところと、小骨の2つに裂いた先端の両方に小穴を開けておき、親骨を小骨で挟み込んで、穴の間を木綿糸を通して繋いでいく。 柄は木、竹などが用いられる。頭と手元(小骨)に2つの轆轤(ろくろ、ちしゃ(えごのき)が原料)が上下に差し込まれる。ろくろにスリットと横穴を開けておいて、骨とはまた糸で繋いでいく。紙を張る時は親骨は180度開くが、ハジキを1つか2つ付けて斜めに開くストッパーとする。 かつては丈夫な楮を原料とした丈夫な美濃和紙の森下紙(現・山県市)などが大量に使われていたが、和紙や障子紙の需要が減少したことで、和紙の産地自体も衰退した。現在は、各地の和紙産地からも仕入れられている。軒紙で骨を等間隔にそろえ、扇型にカットした紙を順番にのり付けして張っていく。 仕上げ:たたみ込み、油引き、漆かけ、飾糸、籐巻、頭紙、製品の点検などを行う。 和傘作りの工程と職名 工程 職名 仕事内容 1.傘骨 骨屋、小骨屋、骨染屋、骨そろえ、横もみ屋 黒、茶、飾り用の穴 2.柄竹 柄竹屋(繰込屋、下に) 3.ロクロ ロクロ屋、ぬり屋 4.傘場紙 原料、紙染屋、紙より屋、紙継屋 手漉紙-厚みのより分け、カットワーク 5.繰込作り 繰込屋 柄竹にハジキ、ロクロをつける 6.繋ぎ ツナギ屋 繰込に骨を糸でつなぐ 7.張り 張屋 平張や、天井仕上 8.仕上 仕上屋、飾り屋、かがり屋 雨傘の工程をベースにしている(日傘、踊傘は別) 9.付属品つけ 付属付屋 10.その他 骨染屋、印屋、描絵屋 黒、茶に染める、筆文字、花の絵など、日本画、単価次第 閉じた状態の和傘 開いた状態の和傘 販売を行っている長良川てしごと町家CASA みんなの森 ぎふメディアコスモスに展示されている和傘
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