原料とコスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/18 09:20 UTC 版)
熱量食はその名が示すように、粉乳、酵母、ブドウ糖を主成分とする高カロリー(熱量)の携帯食である。形状、個数は製品によりさまざまであるが、一例ではカロリーメイト様の長方体をしたブロック状の2本を一食分として防水紙に包装し、紙箱に収めている。激戦地の部隊へ増加食として配給された。また車輌部隊や騎兵部隊で使用され、山岳戦では歩兵部隊に重宝された。これは補給に際し、航空機からの空中投下が容易なためだった。 1933年(昭和8年)、イタリア大使館付武官から日本陸軍に対して熱量食に対する問合せがあり、日本陸軍では簡単な熱量食の成分と製法について回答している。説明内容は以下の通りである。 原料 ブドウ糖、バター、白砂糖、スターチ、イースト、パウダー、ミルク、レシチン、緑茶など 熱量食には夏季用と冬季用の2種類が存在した。夏季用は冬季用よりもバターとイーストの量を減らし、コロイド成分を加えた。熱量は50gで約250カロリー(大カロリー。現在の250キロカロリー)である。コストは1個50gで約10銭であった。製造方法は原料を水と混合、煮詰めて冷却する。これを平面ローラーで成形し、切断して包装する。保存期限は夏季用で約一年、冬季用で4ヶ月である。保存は冷所で行った。
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