原作『灰色の女』とは? わかりやすく解説

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原作『灰色の女』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 15:22 UTC 版)

幽霊塔」の記事における「原作『灰色の女』」の解説

黒岩涙香版の序文には原書について「The Phantom Tower,by Mrs.Bendison(アメリカ作家)」とあったが、江戸川乱歩ら、多く涙香ファン研究者好事家探索にもかかわらず長い間、同題名原作本発見されなかった。このため乱歩などは基本的に翻案小説を書く際、一旦大元原書読んでいたもののこれは涙香版だけ読んで書いた旨を桃源社版の江戸川乱歩全集あとがきコメントしている。その後黒岩涙香研究第一人者伊藤秀雄により、原作者アメリカ女流作家Mrs Williamson原題は“A Woman in Grey”であると発表された。2000年ミステリー作家小森健太朗アメリカ古書販売サイトインターネット調べて原書入手。“A Woman in Grey”が『幽霊塔』の原作であることを裏付けた涙香原作原作者偽った理由不明だが、文芸評論家紀田順一郎は、「原題原作者そのまま紹介すると、ライバル紙に結末をばらされるかもしれなかったからではないか」としている。真偽不明だが、実のところ涙香外国小説連載する時に発表した紹介はでたらめが多い。例・『白髪鬼』は実話のように紹介している。 多く涙香ファン研究者探索し続けていた原作の存在だったが、1920年大正9年)には、アメリカ映画灰色の女』が日本でも公開されており、日本の映画興行会社では、当時既に、「黒岩涙香幽霊塔』の原作『灰色の女』映画化」として宣伝していた。映画前篇後篇その後前篇フイルム文芸評論家紀田順一郎入手したことから、黒岩涙香研究第一人者伊藤秀雄フィルム実際に見てストーリー登場人物一致することから、「幽霊塔」の原作が『灰色の女』であることを突き止めた紀田は、原作発表された頃の書評伊藤紹介している。この経緯は、伊藤によって書かれ一連の涙香に関する研究書に詳しい。伊藤発表するまで、映画公開についての情報を、涙香研究家誰も知らなかったのは不思議としか言いようがない。 2008年2月、『灰色の女』の日本語訳本初め刊行された(論創社 論創海外ミステリ)。訳者中島賢二によると、『灰色の女』はウィルキー・コリンズ著『白衣の女』から一部借用しているという。「原作を読むことで、作者がはっきり『白衣の女』から借りているところのあることに気づきました。主要人物がある墓石を間にして対面する場面また、主要人物一人が重い心臓病患っていることが筋の展開の上大きな意味を持っているころなどは、コリンズから借りたのであるのは間違いない思います。」(中島賢二

※この「原作『灰色の女』」の解説は、「幽霊塔」の解説の一部です。
「原作『灰色の女』」を含む「幽霊塔」の記事については、「幽霊塔」の概要を参照ください。

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