卵・幼虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:53 UTC 版)
卵は幅約1 mm・長さ約13 mmの細長い形で、水温28℃の場合産卵後約2週間程度で孵化する。幼虫は細長い体をしており、孵化直後の1齢幼虫は体長約2 mm(卵の全長の約2倍)で、脱皮して2齢幼虫(体長約40 mm)に変態し、さらにもう1回脱皮して3齢幼虫(終齢幼虫・体長約60 mm)に変態する。脱皮は水中で行い、まず胸部の背中側が中心から割れ、その割れ目が前後に広がるとともに幼虫の胸部・頭部が抜け殻から抜け出し、最後に腹部が抜けて脱皮完了となる。終齢幼虫(3齢幼虫)は成虫の体長のほぼ2倍(上陸直前では胴径約10 mm・体長約80 mm)にまで成長する。 幼虫期間は孵化 - 上陸まで約40日間だが、水温が低かったりエサが不足すると長期化するほか、幼虫期間中に生息地の田んぼなどの水が干上がると乾燥死する。また幼虫はイモムシ型の体形をしているため、後述のような獰猛な性格とは裏腹に外敵からの攻撃に対しては無防備であり、同一容器で複数飼育すれば共食いが起きるほか、貪欲な食欲を持つ一方で移動能力に乏しい。そのため本種幼虫たちが成長し、本種が個体群を維持していくためには幼虫たちの食欲を満たすだけの大量・豊富な種類の生き物が同所的に集中して生息している必要がある。 幼虫は23 - 28℃が最適水温で、生育可能温度範囲は比較的広いが、水温が低いと発育が遅れる反面、高すぎると水質悪化が早くなり死亡率も上昇する。また、薬品類には成虫以上に弱い。
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