危険球事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 03:47 UTC 版)
球審を務めた2012年の日本シリーズ・北海道日本ハムファイターズ対読売ジャイアンツ第5戦(11月1日)で、4回表、巨人の攻撃の際、日本ハムの投手多田野数人は、巨人の打者加藤健に内角高めの球を投じた。加藤はバントの構えからバットを引こうとし、大きくのけぞり倒れこんだ。柳田はこのプレイを投球がヘルメット(頭部)に当たったことによる死球と判定し、多田野に危険球による退場を宣告した。 この判定に対し、日本ハム監督の栗山英樹が約4分間の抗議を行い、「バントに行ったのであれば、(身体に当たっても)空振りでストライクになる」と主張した。また、日本ハムの捕手の鶴岡慎也がメディアに対して説明したところでは、柳田はこのプレイを一旦ファウルボール(バットに当たった)と判定したものの、巨人監督の原辰徳の抗議の後、死球に変更したという。 メディアは「世紀の大誤審」などと報じ、退場処分となった多田野は「だます方もだます方。だまされる方もだまされる方」とコメントした。野球評論家の張本勲は『サンデーモーニング』で「(ボールは球審からは)死角にはなるが、塁審に確認を取らないと。ピッチャーがかわいそう」と批判した。加藤は引退後にこの件を振り返り「ベンチに戻って映像を見たら当たっていなかったです。ボールが顔にめがけてきて、”当たった”と思っているから目もつぶっている」「何が起きたかわからず、その場に倒れてしまいました」「顔にボールが来ていたし、バントの構えからよけようとしたバットがヘルメットに当たったんだと思います」と述べた。 なお、日本シリーズでの退場は1969年第4戦の岡村浩二(当時阪急)以来43年ぶりで史上2人目(詳細は日本シリーズ初の退場事件も参照)で、危険球による退場は多田野が初であった。
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