危害と対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:37 UTC 版)
一回の吸血量は、産卵をするような成体で2-3mlである。ただしその後も出血するので失血量はそれよりやや多くなる。 咬まれてもヒルの唾液には麻酔成分が含まれるため、痛みはそれほど感じない。咬まれた痕は丸い小さな傷口になり、血液凝固を阻害するヒルジンにより、しばらくは出血が止まらない。普通は2時間程度は少しずつ出血が続く。一旦止まっても、入浴などで再び出血することもある。その後も傷の治りは遅く、極端な例では二年に及ぶこともある。 また、猛烈なかゆみが出やすく1カ月近く続くこともある。 皮膚に付いた場合はアルコールが効果的で、近づけただけでも落ちる。そのほか、火を近づけたり、塩や塩分濃度の高い液体、食酢のような酸性の液体をかけることも効果がある。食塩水を含ませた布を首に巻くという予防法もある。吸血跡は化膿止めをした方がよいとされている。なお、ヤマビルによって媒介される寄生虫や病原体は知られていない。 かゆみに対しては抗ヒスタミン剤などの軟膏が有効だが、アンモニアを含む薬は症状を悪化させるおそれがある。 近年の人里での増加から、薬物などによる防除も行われているが、決め手は今のところない。日本ではヤマビル専用のディートを用いた防虫スプレーが市販されている。また温度変化に敏感であることを利用し、サリチル酸2-ヒドロキシエチルやL-メントールを主成分としディートを含まない忌避剤を総合研究大学院大学の助教と秋田県立金足農業高等学校の生徒らが開発している。 放置された雑木林では湿気を少なくする里山としての整備が、シカとヤマビル対策になると考えられている。また、場所によっては、ハイキングコースの入口にヤマビル退治用の塩の入った瓶が置いてある。 にがりを利用した凝固剤のスプレーによって退治することができる。
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