南アフリカ醸造社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 07:02 UTC 版)
SABミラー社の母体は1895年、南アフリカのヨハネスブルグに作られた南アフリカ醸造社 (South African Breweries) (SAB)である。当時のヨハネスブルグはトランスヴァール共和国に属し、1886年に発見された金鉱を掘るために作られた町である。金鉱発見を契機にゴールドラッシュが起こり、この町に世界中から移民が集まっていた。1886年は南アフリカとイギリスとの間で行われた第一次ボーア戦争と第二次ボーア戦争の中間時期に当たる。当初は本社機能はイギリスのロンドンにあった。 会社は急成長し、1897年にはヨハネスブルグ証券取引所に上場、翌1898年にはロンドン証券取引所に上場された。1902年には資本金を倍に増やし、非鉱業会社としては南アフリカ最大の企業となった。1950年に本社をロンドンからヨハネスブルグに移した。 1910年には南ローデシア(現ジンバブエ)に進出し、1956年から1979年にかけて南アフリカの競合他社を盛んに買収した。また、1978年から1982年にかけて、隣国のボツワナ、レソト、スワジランドに進出した。1988年にはアフリカ北西沖カナリア諸島のカナリア諸島醸造社(Compañía Cervecera de Canarias SA)を買収した。しかしながら、1948年以降の南アフリカは、人種隔離政策アパルトヘイトのため国際的には不人気であり、アパルトヘイトが廃止される1991年まで、カナリア諸島醸造社以外の欧米企業買収はならなかった。ただし、SABは南アフリカで初めて人種非差別雇用を採用した会社である。 1999年にプライマリー市場をロンドン証券取引所に変更し、本社もロンドンに戻した。さらに2002年にはアメリカのアルトリアグループから醸造量アメリカ2位のミラーを買収し、名称を現在のSABミラーに変更した。この際、アルトリアグループがSABミラーの下部28.7%を取得している。さらに2005年に南アメリカで2番目に大きな醸造会社Bavaria S.A.を買収して、AguilaやClub Colombiaなどのブランドを手に入れた。
※この「南アフリカ醸造社」の解説は、「SABミラー」の解説の一部です。
「南アフリカ醸造社」を含む「SABミラー」の記事については、「SABミラー」の概要を参照ください。
- 南アフリカ醸造社のページへのリンク