医薬品・民間療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 00:29 UTC 版)
「ヒトに由来する生薬#排泄物およびその関係品に由来する生薬」も参照 古来、糞は中医薬や漢方薬のための生薬として利用されてきた。例えば、明代中国で李時珍が編纂した『本草綱目』の巻52「人部」には、「人糞」「虫糞茶」「黄龍湯(zh:黃龍湯)」「糞清」「人中黄」などといった、糞を原料とする中医薬が記されている。あるいは、李氏朝鮮時代の王たちの疾病と治療法を研究したソウル大学校大学院医学科の金正善によると、中宗は解熱剤として「野人乾」(人糞)の水を飲んだという。日本では、中国の四川料理には蚊の目玉の湯が珍味であるとする説が流布している。この原料は夜明砂というコウモリの糞を洗いだした生薬である。 日本では馬糞(まぐそ、ばふん)に薬効があると信じられ、戦国時代には「馬糞治療」としての地位を確立していた。馬糞は傷口に塗る以外にも、直接食べるか水で溶いて飲むことによって銃創(鉄砲傷)に効くとされた。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}武田信玄家臣の甘利昌忠が負傷した部下に糞便の薬を飲ませる際、嫌がる部下を前に自ら飲んで見せたという話が、美談として有名である[要出典]。また、傷の痛みが酷い時には温めた人の小便を飲ませることもあった。 朝鮮半島の民間療法でも、糞尿を塗布したり、摂取したりした。またトンスルという糞を原料とした薬用酒があるとも言われる。これは日本や中国の人中黄と酷似したものである。 インドにおいては牛の糞尿が医薬品から石鹸、シャンプー、歯磨き粉などの衛生用品など非常に幅広く使われており、牛の尿から作ったソフトドリンク「牛の水」なども存在する。
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