北山工区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 07:11 UTC 版)
北山工区は、新大阪起点19K450Mから22K200Mまでの延長2,750メートルを掘削する工区である。大林組が施工を担当した。地質は硬い六甲花崗岩であったが、節理が多く、断層付近では風化が激しく圧力のかかった地下水を含有していることが予想されていた。トンネルに取り付く斜坑の坑口は、夙川のほとりに設けられた。斜坑の長さは434.9メートル、本坑到達点のキロ程は19K701M55地点である。 1968年(昭和43年)1月11日に着工した。7月4日に実際の斜坑掘削に着手し、途中湧水に見舞われたものの排水して続行し、12月10日に本坑との交点に到達した。 翌1969年(昭和44年)1月から本坑の導坑掘削を開始した。当初は地質が悪くゆっくりとした進捗であったが、やがて順調に掘削を進められるようになった。途中モンモリロナイトを含有する膨張性の粘土区間では工法を変更し変状に対応した施工を行った。途中約10本の断層破砕帯に遭遇し、特に21K530M付近では約2か月かけて突破できなかったため迂回坑を掘削してその先の掘削を続行した。また21K645M付近でも同様に迂回坑を試みたが、迂回坑でも土砂が噴出して断念し、迂回坑側から本坑の水抜きボーリングを行ったうえで本坑を強行突破した。この間1970年(昭和45年)6月10日から芦屋工区からの導坑迎え掘りを開始し、この迎え掘りにおいても断層破砕帯に遭遇して迂回坑を掘削し、迂回坑において10月1日に導坑間が貫通した。 1971年(昭和46年)7月31日に北山工区は竣工した。工区の工費は28億1000万円であった。
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