化学兵器としての迫撃砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 04:15 UTC 版)
化学兵器の運用部隊の多くは迫撃砲を装備していた。これは、毒ガスなどの化学物質が充填された砲弾を短時間で大量に投射する手段として迫撃砲が適していたためである。化学戦での運用を前提に開発された迫撃砲も存在し、これらは前述の理由から大口径のものが多い。第一次世界大戦では広く利用された毒ガスだが、戦術上きわめて扱いにくく効果の測定も不確かなため、第二次世界大戦では実戦で使用される機会が少なく、通常弾を用いる火力支援などを行うようになった部隊が多い。 イギリス軍 第一次大戦中に使用されたリーベンス・プロジェクターは、化学戦専用に開発された迫撃砲である。第一次大戦では、英国以外の軍隊も毒ガスを多用した。 アメリカ軍 第二次大戦中、一部の歩兵師団の隷下に化学迫撃砲大隊(chemical mortar battalion)という化学戦部隊を編成しており、M2 107mm迫撃砲を装備していた。 日本軍 九四式軽迫撃砲は当初から化学戦用のガス弾投射機として開発された。 ドイツ軍 10cmNbW35や10cmNbW40といった化学戦用の迫撃砲を開発していた。"NbW"はネーベルヴェルファーを指し、ロケット・ランチャーである41型以降がよく知られているが、初期の35型・40型は迫撃砲である。直訳すれば「煙幕発射機」で、本来の用途を欺瞞するための名称である。
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