化学兵器の使用能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 01:18 UTC 版)
「グータ化学攻撃」の記事における「化学兵器の使用能力」の解説
攻撃が行われた当時、シリアは化学兵器禁止条約に署名していなかった。化学兵器禁止条約は化学兵器の生産、貯蓄、輸送、使用を禁止するものである。ただしシリアは1968年に1925年に施行されたジュネーブ条約には加盟している。ジュネーブ条約では窒息性、毒性のある毒ガスの使用を禁止している。2012年にシリアは公に化学兵器と生物兵器を所有しており、外国の攻撃を受けた場合は使用すると述べている。 フランスの情報機関によると、シリア科学研究機関(SSRC)は戦争で用いる毒物を生成する能力を持っており、"部門450"と呼ばれる部所が化学兵器の弾頭への注入および化学兵器の貯蓄、安全管理を担っているだろうと述べている。2013年の9月、フランスの情報機関はシリアの化学兵器ストックを1000トンと見積もった。その中にはイペリット、VX、そして数百トンのサリンが含まれる。 イギリスの合同情報委員会は反体制派はこの規模の攻撃を行う能力が無いと述べ、攻撃について反体制派の関与の可能性を公に否定した 。シリア・アラブ共和国の化学兵器使用に関する調査のための国連調査団を率いたスウェーデンの科学者Åke Sellströmは反体制派が毒物を兵器化する能力があったとは考えにくいと述べている。しかし一方で、彼は攻撃の首謀者は分からないと述べている。AP通信によれば、"化学・生物兵器の専門家の意見は比較的一致しており、それは数百人の人を殺害したグータの化学攻撃を行う能力があるのは、ミサイルの運搬性能やサリンに関する情報にアクセスできる軍隊組織に唯一限られることである"と述べている。
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