勝手TLD
別名:勝手ドメイン名、勝手トップレベルドメイン
イントラネット等の特定組織内でのみ使用され、インターネット上のドメイン名の管理機構であるICANNとは無関係に設定されているドメイン名の通称。「名前衝突」のおそれがあるとして注意が呼びかけられている。
インターネット上の(パブリックな)トップレベルドメイン(TLD)はICANNが一元的に管理している。これとは別に、内部ネットワークでは任意のドメイン名を設定してアクセスする運用が可能である。2013年から2014年にかけて、ICANNは数百単位の新トップレベルドメインを追加しており、場合によっては、新たに追加されたTLDと内部で独自に利用していた勝手TLDが重複する可能性がある。
ICANNの承認する新TLDと勝手TLDが衝突した場合、端末がアクセス先を正しく認識できなくなり、内部ネットワークの勝手TLDにアクセスできなくなるおそれがある。あるいは、内部ネットワークに接続しているつもりがインターネット上のLTDにアクセスしてしまうことで、機密情報の漏洩につながる可能性もあるという。
関連サイト:
名前衝突(Name Collision)問題 - JPNIC 日本ネットワークインフォメーションセンター
勝手TLD
別名:勝手ドメイン,勝手ドメイン名,勝手トップレベルドメイン,自社独自TLD,自社独自トップレベルドメイン
勝手TLDとは、イントラネットなどの閉じられたIPネットワーク内で利用することを前提して、当の組織内で独自に設定されたトップレベルドメイン(TLD)の通称である。
TLDはドメイン名における最も広範囲な指定対象である。その性質に応じてgTLD、ccTLD、sTLD、などに区分される。インターネット上で使用されるこれらのTLDは、ICANNによって一元的に管理されている。
インターネット上で用いられるTLDは、ICANNが独占的に統括管理する権限を有している。他方、特定組織内での運用のみに限られた閉じたネットワークにおいては、端末にアクセスするための識別子として、ホスト名やドメイン名(と同様に認識して扱うことができる文字列)を任意に設定することが可能である。例えば、企業情報に関するデータが集約されたサーバーには「.corp」の文字列を割り当てる、といった扱い方ができる。こうして独自に設定されたドメイン名が勝手TLDと呼ばれる。
勝手TLDは、以前から行われてきたネットワーク運用方法であるといえる。近年、ICANNが大量の新gTLDを追加登録していることを背景に、これまで用いられてきた勝手TLDが新gTLDが名前衝突を興す可能性がある、と指摘されている。
勝手TLDと新gTLDが重複し、名前衝突が起こると、DNSが正常に名前解決できなくなって端末にアクセスできなくなったり、同じくメールの送受信ができなくなったり、あるいは、内部ネットワークの端末にアクセスしたつもりがインターネット上の他の端末にアクセスしてしまったり、といった意図しない挙動につながるおそれがある。内部ネットワークのつもりで通信した結果、機密情報がパブリックなネットワークに流出してしまうことも危惧されている。
JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)は勝手ドメインと新gTLDの名前衝突の機器について広く告知すると共に、ネットワーク管理者へ向けて対応を案内するなどの活動を行っている。また、ICANNは新gTLDのうち特に名前衝突を引き起こす可能性が高い「.home」および「.corp」の追加を取りやめたと発表されている。
参照リンク
名前衝突(Name Collision)問題 - (日本ネットワークインフォメーションセンター)
ドメイン: | プライマリDNSサーバ INFOドメイン JPドメイン名 勝手TLD 逆引き 国際化ドメイン名 LIGHTINGドメイン |
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