利用と栽培品種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 23:29 UTC 版)
畳表やゴザはイグサの茎で作られる。イグサの茎は帽子や枕の素材としても利用される。そのために使われるのは栽培用の品種でコヒゲ(小髭: cv.Utilis)と呼ばれる。野生種より花序が小さいのが特徴である。水田で栽培される。 畳表用に、日本の熊本県が育成者権(2021年6月まで)を持つ「ひのみどり」という品種があるが、中国に持ち出されて違法輸入されるケースがある。 他に花茎がばねのように巻く品種があり、ラセンイ(螺旋藺: cv. Spiralis)と呼ばれ、観賞用に栽培される。 ちまきを笹などでくるむ際に、結わえる紐としても用いられる。 また別名のトウシンソウは「燈芯草」の意味で、かつて油を燃やす燈火で明りを採っていた時代にこの花茎の髄を燈芯として使ったことに由来する。今日でも和蝋燭の芯の素材として用いられている。かつては利尿や不眠症、切り傷や打撲、水腫の薬としても用いられた。 イグサはビタミン類やミネラル、葉酸、食物繊維を含み、加工すれば食用にもなる。産地である熊本県八代市の食品メーカーであるイナダは、無農薬栽培したイグサの粉末を使ったアイスクリームなどを製造・販売している。熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会は2017年、丸繁製菓(愛知県碧南市)の協力を得て、食事に使った後は食べられるイグサの箸を開発した。 畳以外の用途開拓については下記参照。
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