分布と応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/17 05:05 UTC 版)
アザジラクチンは、初めはサバクトビバッタ (Schistocerca gregaria) に対して摂食阻害活性を示す物質として発見され、現在は200種類以上の昆虫に効果があることが知られている。主に摂食阻害剤、成長撹乱物質として作用し、昆虫に対して顕著な毒性を有する(LD50 (S. littoralis): 15 μg/g)。アザジラクチンは天然殺虫剤として合成化合物に取って換わるのに必要な基準の多くを満たしている。アザジラクチンは生分解性であり(光と水に曝らされると100時間以内に分解する)、ほ乳類に対する毒性は非常に低い(マウスに対するLD50は> 3,540 mg/kgであり実質的に無毒)。 本化合物はインドセンダン (Azadirachta indica、ニーム) の木の種子に重量比 0.2 - 0.8 %程含まれている(したがって、化合物名のAzaは、炭素原子が窒素原子に置換されたことを示す接頭辞ではなく、学名に由来する)。インドセンダンの種子や葉、樹皮からは多くのアザジラクチン関連化合物が単離されており、それらもまた様々な害虫に対して強力な生理活性を示す。 これらの調整された物質の有益な節足動物に対する効果は一般的にごく小さいと考えられている。いくつかの実験室やフィールド研究によって、インドセンダン抽出物が生物駆除に適応できることが明らかにされている。ピュアなニームオイルはアザジラクチンの他にも殺虫、殺菌成分を含むため、殺虫剤として使用する際には一般的に 1オンス/ガロン(7.6 mL/L)の濃度で水と混合する。
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