冷却材に関する事故例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 02:03 UTC 版)
「冷却材喪失事故」も参照 高速増殖炉もんじゅの漏洩事故では、配管内を流れる溶融金属ナトリウムモニター用温度計のさや管が折れる強度設計ミスにより配管の温度計挿入部からナトリウム化合物NaKが650kg程度漏洩した。漏洩したナトリウムカリウム合金は空気や空気中の水分、床材のコンクリート中水分などと激しく反応して爆発的に炎上したとみられる。この結果、床の鉄板張りが溶解し、周囲にナトリウム化合物が飛散した。再現実験の結果、このときの温度は940℃に達していたとされる。この事故に関しては後に(広義の)事故隠しなど不祥事が発覚し社会問題となった。 原子炉の熱媒体として用いたナトリウムカリウム合金の漏洩の事故例においては、配管の腐食事故の例がある。 また、アメリカ合衆国、スリーマイルアイランドの加圧水型原子炉で起きた事故は、一次冷却材の喪失事故で、メルトダウン(炉心溶融)を引き起こした。 美浜発電所では2004年に二次冷却材の水(軽水)がエロージョン(壊食)によって磨耗した配管から噴き出し、作業員4人が死亡、7人が重軽傷を負う事故が発生し、原子力に対する保守の甘さが問題となった事例がある。詳しくは美浜発電所#過去の主なトラブルに記述がある。
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