共通語や他方言との接触による変化の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 03:30 UTC 版)
「新方言」の記事における「共通語や他方言との接触による変化の例」の解説
推量・意思をあらわす東北方言・関東方言「べ」あるいは「ぺ」の用法が簡略化され、方言色が薄くなっている。 (例)よかんべ、よかっぺ、いいべ→いいべに統一される傾向 東海東山方言には打消の助動詞に東日本的な「ない(ねえ)」と西日本的な「ん」を併用する地域がいくつかあるが「…じゃないか」の「ない」が打消の助動詞と混同され、「…じゃんか」という形が生まれた。それが横浜を経て東京に伝播したことで一気に全国区となったが、伝播の過程で「か」が取れて「…じゃん」と短縮された形で広まった(「…じゃん」は東海東山方言の一つである三河弁から伝播したとする説もある)。 関西弁では「来ない」に相当する「きやへん」から変化した「けーへん」(大阪)と「きーひん」(京都)があるが、「けえへん」と共通語「来ない」が合わさってできた「こーへん」という表現が若者を中心に広まっている。もとは神戸から広まりだしたともいう。 関西弁の影響を受けて、岐阜県や四国などで伝統的な「じゃ」が「や」に取って代わられつつある。 西日本に多い否定の助動詞「ん」の過去表現は本来「…なんだ」であるが「ん」と共通語「…なかった」が交じり合って「…んかった」という形が生まれ、「…なんだ」に取って代わりつつある。 (例)知らなんだ→知らんかった 同様に、近年では共通語「ない」の連用形「なく」と否定の助動詞「ん」を混合させた「んく」という新方言が広まりつつある。 (例)分からなくなった→分からんくなった(旧来の表現は「分からんなった」「分からんようになった」等) 首都圏方言的文法の「しなくない?」と西日本方言的文法の「せんことない?」が混合して「せんくない?」と言う言い回しが西日本で広まりつつある。 西日本各地では「する」の未然形は文語「せ」を用いるが、共通語文法の「し」と混同される例が増えてきている。 (例)せん→しん せないかん→しないかん 沖縄県においては旧来の琉球方言が廃れつつある一方、特に沖縄方言と共通語が混合したウチナーヤマトグチが広がっている。 博多のビジネスマンは、博多弁+丁寧語だったりする。 「行きよったと?」⇒「行ったとですか?」、「言ったとばい」⇒「言ったとです」
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