全然+肯定表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 09:28 UTC 版)
詳細は「全然」を参照 「全然」は、明治時代から戦前までの近代語では否定表現を伴わず「すっかり、ことごとく、完全に、全面的に」として用いられてきた(戦前の文学作品には否定表現を伴わずに「全然」が用いられる例が多く見られる。「全然違う」、「全然だめ」、「全然反対」、「全然別」など、「全然」に修飾される語に否定的な要素が含まれたものも古くから使われている。)が、文部省教育の定着と世俗の中で昭和中期に肯定用法の使用が減少し、戦後は打消しの言葉や否定的な表現を伴って「まったく。まるで。少しも。まるっきり。」として用いるのが正しい用法とされた。しかし、最近は明治時代から戦前までの「全然」とは違った意味での否定を伴わない用法が増え、これが誤用、若しくは俗用として扱われている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}すると警保局長は全然出版に反対の意を仄めかした。 —夏目漱石、『『煤煙』の序』1909(明治42)年 妻を迎へて一家團欒の樂を得ようとして、全然失敗した博士も、此城丈は落されまいといふので、どうしても母君と一しよに食事をする。 —森鴎外、『半日』1909(明治42)年 これと全然同じ話が支那にもある。 —芥川龍之介、『才一巧亦不二』1925(大正14)年
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