全体の技術的説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 09:35 UTC 版)
この節では現在実用化されている、能動光学による補償光学の実現法について、全体的な技術説明をする。 このシステムは、位相補償と位相制御計算機からなる技術の複合体と言える。 位相補償は、波面センサーと可変形鏡からなり、それを制御する位相制御計算機からなる。波面センサーは、シャックハルトマンセンサーと曲率センサーが代表的なものである。シャックハルトマンセンサーは、細かなレンズアレイによって、像のずれを測定するものであり、最も一般的に活用されている方式である。曲率センサーは、センサー本体の移動によって、光強度変化を捉えて波動干渉による波面の状態を捉えるものである。 さて、これらのセンサーが捉えた情報を元に位相制御計算機によって、可変形鏡を制御するための制御信号ベクトル(電圧)を作り出す。基本的には、隣接するセンサー群のマトリックス(行列)演算によるものであり、さほど高度な技術は必要とされない。 位相制御計算機から出力された制御信号ベクトルによって、可変形鏡を変形させるためのアクチュエーターへと電気信号が送られる。このアクチュエーターの微小な運動によって可変形鏡が変形し、光路に導かれた星像の位相補償が行われるのである。
※この「全体の技術的説明」の解説は、「補償光学」の解説の一部です。
「全体の技術的説明」を含む「補償光学」の記事については、「補償光学」の概要を参照ください。
- 全体の技術的説明のページへのリンク