能動光学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 08:49 UTC 版)
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能動光学(のうどうこうがく、英: active optics)とは、レンズや鏡などに代表される光学素子自体の精度ではなく、能動的に制御されるアクチュエータなどでそれらの精度を保つ・高めるシステムの開発を目指す学問。天体望遠鏡でコンピュータ制御により、補償光学を実現することによって、“たわむ”鏡でも、分割鏡という小さな鏡の組み合わせでも望遠鏡を作成することが可能となった。結果、鏡の重さが減ったため望遠鏡の架台の部分も軽くすることができるようになったので、より安くて、大口径で、強い構造をもつ望遠鏡を生み出すことにつながった。また、薄い鏡は夕暮れになるとすばやく冷えるため、よりよい画像を生み出せるようにもなった[1]。
また能動光学は、半導体露光装置(ステッパー)にも使用されており、そういった意味では今日のエレクトロニクスは能動光学のたまものといえるであろう。
脚注
- ^ Michael A.Seeds、Dana E.Backman 著、中村理ほか 訳『最新天文百科 : 宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス』有本信雄監訳、丸善、2010年、92頁。ISBN 978-4-621-08278-2。
関連項目
能動光学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 09:35 UTC 版)
詳細は「能動光学」を参照 ケック望遠鏡の分割ミラーを一点の焦点にあわせるための光学技術 すばる望遠鏡の主鏡が重力によって変形するため、それを放物面に保つための光学技術 野辺山宇宙電波観測所の45mミリ波望遠鏡の主鏡が重力によって変形するため、それを放物面に保つためのホモロガス変形法 反射式天体望遠鏡の主鏡を支持するための多点支持装置 これらの基本は、静的サポート(Static Support)と能動サポート(Active Support)に区分されるが、具体的に上の例を分類すれば、ケック望遠鏡とすばる望遠鏡の場合には、能動サポートによる補償光学技術によって、主鏡面の精度を保ち、回折限界を目指した設計が行われている。理由としては、大口径の主鏡ともなれば、その重量によって、主鏡の位置によっては放物面が維持されず、主焦点における各波長の光が分散してしまうことによる。野辺山宇宙電波観測所の45mミリ波望遠鏡および、反射式望遠鏡の主鏡を支持するための多点支持装置は、静的サポートに分類される。ただし、45mミリ波望遠鏡の場合には、重力による主鏡の変形を積極的に活用することによって、主鏡面と副鏡面との間で焦点が保たれる工夫がなされている。能動サポートを利用している望遠鏡は、波長があまりにも短いため、主鏡のほんの僅かな歪みが、その性能に著しく影響を与える場合に活用されていると言える。それに対して、静的サポートの場合には、ある程度の許容できる範囲、もしくは重量物を支えることによって、鏡面のメンテナンスや自然の力を利用した支持装置であると言えるのである。
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