全体の存在は説明できない
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:07 UTC 版)
「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」の記事における「全体の存在は説明できない」の解説
全体の存在について説明することはできない、としてこの問いを棄却する考えがある。話はこういう具合である。まず前提として、あるものXの存在を説明するためには、Xでないもの(非X)を用いた説明を構成する必要がある。だから世界の存在を説明したいならば、それ以外のものを持ち出す必要がある。しかし世界以外のものというのは定義上、なにひとつ、ない。なぜなら世界とは存在するもの全て、だからである。説明に必要なものがないならば、世界全体の存在について説明することは論理的に不可能である。よってこの問題は擬似問題であり、解答を提出することがそもそも不可能な問いである。こうしてこの問いを却下する考えである。たとえば20世紀の科学哲学者カール・ヘンペルがそうした主張を行った。
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