光放送とインターネット再送信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:30 UTC 版)
「ブロードバンドインターネット接続」の記事における「光放送とインターネット再送信」の解説
光回線においては通信系光ファイバー(光通信)と放送系光ファイバー(光放送)との多重化(光波長多重通信)による統合が行われている。また多重化せずに光通信用と光放送用の2芯で提供するサービス(eo光テレビなど)も存在する。 光放送の方式では光ファイバに放送波を変調して載せた放送波変調方式(スカパー!プレミアムサービス光(フレッツ・テレビ)等)と、光回線のIP伝送で閉域網より放送データを送るIPマルチキャスト方式(ひかりTV等)が主流となっている。 放送波変調方式(RF光伝送)では通常の放送波のパススルーが行われている。具体的には放送波を光信号に変換したあと光スプリッタで分配し、各戸の光回線終端装置で同軸ケーブル上の電気信号に戻すという形であり、電気信号に戻した後は一般的なテレビチューナーを使っての視聴が可能となる。また放送波変調ではパススルー信号に加えて旧来の有線テレビジョン放送(CATV)向けセットトップボックス用トランスモジュレーション信号を多重化することも行われている。光ファイバは非常に広帯域となっているため、放送波変調ではデータ通信へと影響を与えずに上記の表にある全ての放送信号を常に同時に提供することが可能である。 IPマルチキャスト方式では一般的に閉域IP網での優先通信が使われており、IPv6プロトコルのマルチキャストリスナ探索 (MLD) によって必要な受信者にのみ必要な放送データが送られるようになっている。また光スプリッタで分岐された受動光ネットワーク (PON) の部分ではマルチキャストLLIDによって単一データを複数契約者の光回線終端装置(ONU)が同時に受信するようにすることができる。視聴には一般的なテレビチューナーが使えず、専用のセットトップボックスなどを用いる必要がある。IPマルチキャスト方式は優先通信によって帯域を圧迫するため動画の再圧縮が行わており、その視聴に必要な通信速度は、例えば「ひかりTV」ではHD放送で1チャンネル当たり15Mbps、4K放送で1チャンネル当たり30Mbpsとなっている。トリプルチューナー搭載のセットトップボックスも存在し、その数倍の通信容量が1セットトップボックス当たりで使われるようになっている。 それら方式に使うことのできる一部の放送受信機器は、家庭内ネットワーク向けのDLNA接続方式とDTCP-IP通信の組み合わせによって放送の家庭内IP再送信が可能となっている。またDCTP+ (DTCP-IP 1.4) やDLPAリモートアクセスの登場によってインターネット経由での放送再送信も可能となっている。
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