債権調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/26 04:14 UTC 版)
裁判所は債権調査の期日において、届出があった各債権につき、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいて債権表記載の事項を調査する(破産法第116条)。 認否書の作成及び提出 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない(破産法第117条)。破産債権の額 優先的破産債権であること。 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 別除権(第108条第2項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前2項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 一般調査期間における調査(破産法第118条) 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、破産債権についての破産債権の額・別除権などの事項について、書面で、異議を述べることができる。 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 特別調査期間における調査(破産法第119条) 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。ただし、当該破産債権について、破産管財人が第117条第3項の規定により提出された認否書に同条第1項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第112条第1項若しくは第3項の規定による届出があり、又は同条第4項において準用する同条第1項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、同様とする。 特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、必要事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての認否書に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 裁判所は、特別調査期間を決定するとき又は変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 特別調査期間に破産債権を有する者が費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 この却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 一般調査期日における調査(破産法第121条) 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第117条第1項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 一般調査期日に出頭した破産者は、破産債権の額について、異議を述べることができる。 出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 特別調査期日における調査(破産法第122条) 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。ただし、当該破産債権について、破産管財人が認否書に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 その他の事項は一般調査期日の規定を準用する。
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