偽造テレホンカード問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 15:44 UTC 版)
「テレホンカード」の記事における「偽造テレホンカード問題」の解説
磁気テレホンカードが広く流通するようになるにつれ、使用済カードに新たに磁気情報を加えて、再び使用可能とした、いわゆる「偽造テレホンカード」(または「変造テレホンカード」「偽テレ」とも)も広く流通するようになり、社会問題に発展した。同様の事態はオレンジカードやハイウェイカードでも起きていた。 一部のカード式公衆電話では、国際電話ができるようになり、磁気テレホンカードの需要の高まりから、主に外国人により売られていた偽造テレホンカードが大量に出回った。 当初のカード式公衆電話機は偽造対策が脆弱であったため、「永久使用テレカ」なるものも生まれていた。また、偽造テレホンカードを用いて国際電話を掛けたり、ダイヤルQ2に繋いでNTTから情報料を詐取する、といった不正行為が増加したため、NTT側も偽造テレホンカード対策に乗り出した。 この結果、320度数・540度数のテレホンカードが1991年(平成3年)12月28日に使用廃止された。翌1992年(平成4年)からはテレホンカードで国際電話がかけられる公衆電話は激減した。電話機自体もカードリーダーライターの交換や改造が施され、106度数以上のカードは度数を読み取り表示するものの、電話機から排出される。 偽造カードチェックも厳しくなった。NTTでは、傷があるテレホンカードは(正規カードでも)使用できないことがある旨を告知している。デジタル公衆電話機を中心に、カードチェックが厳正化されたカード処理機構を搭載する機種では、テレホンカードによる国際電話の取り扱いが再開されている。 使用不能となった105度数を超えるカードおよび、残高があるのに排出されてしまうテレホンカードは、前述のテレホンカード交換センターで交換できる。高額カードは50度数または105度数カードと端数分カードに、その他故障カードは同じ残高の新しいカードに交換される。 国際電話に使用する外国人に代わり、1990年代中盤はポケットベルの需要が爆発的に伸びた時期でもあり、日本人の学生層を中心に偽造テレホンカードが頻繁に使用される事が問題となった。 当時は、この行為を直接取り締まる法律がなく、警察は偽造カードの不正使用者については『変造有価証券行使罪』を適用して、摘発に当たった。ただ、当時のこの法律では「使用した時点で触法行為」で、現行犯逮捕での身柄拘束しかできない反面、偽造テレホンカードを所持しているだけでは、たとえ職務質問で発見できても、逮捕摘発ができないといった弊害も生まれていた。現在は、2001年(平成13年)の刑法改正によって、テレホンカード等のプリペイドカードは、刑法163条の2の支払用カードに当たることになり、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で電磁的記録を不正に作れば、支払用カード電磁的記録に関する罪(支払用カード電磁的記録不正作出罪)が適用されることとなっている。
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