使用の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 03:56 UTC 版)
「麟 (織田信長の花押)」の記事における「使用の経緯」の解説
花押は、文書において自署の代用として使われる特殊な形状の記号・符号である。織田信長は自らの花押の形状をたびたび変更したことで有名であり、細かく分類すれば10種類以上の、大別すれば3種類の花押を使用した。 すなわち、初期に使用したものは伝統的な足利様の花押であり、この形式は父の織田信秀も使用していた。次に天文21年(1552年)から使用した花押は実名「信長」の字を裏返したものである。このときの花押変更の背景には、盗用や偽造を防ぐという実際的な目的があったと考えられている。 最後の3種類目の花押が「麟」の字の花押であるが、2012年時点で判明している限りでは、「麟」字型花押が使われた最初の史料は、永禄8年9月の信長の発給文書である。そして、同年の花押の一新は、盗用・偽造の防止といった従前の目的からではなく、政治理念の表明というまったく異なった理由によって行われたものであった。後述する通り、この「麟」の花押に込められた理念とは、平和社会の実現という信長の理想であると解釈されている。 やがて美濃攻略を達成した信長は、永禄10年(1567年)11月に「天下布武」の印章を使い始めた。「麟」字型の花押は「天下布武」印とともに使い続けられたが、同花押は相対的に重要性の高い文書に限定して使われるようになった。特に、信長が天正4年(1576年)に本拠を安土城へ移して以降は、発給文書のほとんどに「天下布武」の印章が捺された一方で、花押の使用は他の戦国大名や公家に宛てた特別な文書のみに限られた。
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