位相体としての特徴付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 13:52 UTC 版)
C には代数的側面のみならず、近傍や連続性などの解析学や位相空間論の分野で考慮の対象となる性質も備わっている。そのような位相的性質に関して C は、適当な意味で収束の概念を考えることのできる位相体を成すことに注意しよう。 C は以下の三条件を満たす部分集合 P を持つ。 P は加法、乗法および逆元を取ることについて閉じている。 P の異なる元 x, y に対して、x − y または y − x のうちの何れか一方のみが P に属する。 S が P の空でない部分集合ならば、適当な x ∈ C に対して S + P = x + P が成り立つ。 この P はつまり正の実数全体の成す集合である。さらに言えば、C は非自明な対合的反自己同型(英語版)として複素共軛変換 x ↦ x* を持ち、任意の非零複素数 x に対して xx* ∈ P が成り立つ。 これらの性質を満たす任意の体 F には、任意の x ∈ F, p ∈ P に対する集合 B(x, p) = { y | p − (y − x)(y − x)* ∈ P} を開基とすることによって、位相を入れることができ、この位相に関して F は C に位相体として同型になる。 これとは別の位相的な特徴付けに、連結な局所コンパクト位相体は R および C に限ることが利用できる。実際このとき、非零複素数の全体 C ∖ {0} は連結だが、非零実数の全体 R ∖ {0} は連結でないという事実を併せれば、R と峻別することができる。
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